東京地方裁判所 昭和45年(借チ)19号 決定
〔主文〕1 別紙目録記載の土地についての申立人(賃借人)参加人(賃貸人)間の賃貸借契約の目的を堅固建物所有に変更し、存続期間を本裁判確定の日から三〇年延長する。
2 右賃貸借契約の賃料を本裁判確定の月の翌月分から3.3平方米当り月額二八〇円に改める。
3 申立人は、参加人に対し、金二五〇万円の支払をせよ。
〔理由〕(申立の要旨)
1 申立人は、参加人から、別紙目録記載の土地(以下本件土地という。)を非堅固建物所有の目的で賃借中にして、同地上に木造二階建店舗一棟面積一階68.03平方米二階68.03平方米(以下本件建物という。)を所有している。
2 本件土地は防火地域の指定を受け、附近の建物も高層化されているので、申立人は、本件建物を堅固建物に改築すべく計画したが、借地契約の目的を堅固建物に変更することにつき参加人と協議が調わないので、右変更の裁判を求める。
(決定理由)
1 本件の資料によると、本件土地を含む中央区八丁堀二丁目一〇一番地六宅地145.45平方米はもと相手方小岩井一三の所有にして、申立外窪島佐吉が非堅固建物所有の目的、期間昭和二二年五月一七日から二〇年の約で貸借し、申立人において、右窪島から右借地中本件土地についての賃借権の譲渡を受けて昭和二五年頃本件土地に本件建物を建築所有したこと、右借地契約は期間満了により法定更新され、参加人は相手方方小岩井一三から昭和四五年五月本件土地を買い受け同月二〇日所有権移転登記を経由して賃貸人の地位を承継したこと、本件土地賃貸借契約の賃料は昭和三八年一〇月分から3.3平方米当り月額一〇〇円に改定され、現在にいたつていることが認められる。
2 本件の資料によれば、窪島佐吉が本件土地を賃借した後本件土地は防火地域の指定を受け、本件土地附近は建物の高層化が進み、現に借地権を設定する場合は堅固建物の所有を目的とするのが相当であると認められるので、本件申立は、これを認容すべきである。
3 附随処分
本件の資料によると、本件土地は第七種容積地区の指定を受受けていることが認められるので、申立人は、本件申立の認容により、本件土地を従前よりはるかに有効に使用することが可能となるので、当事者間の利益の衡平を図るため、申立人に財産上の給付を命ずるのが相当であり、その額は、鑑定委員会の意見に従い金二五〇万円とする。また、借地契約の目的が非堅固建物所有から堅固建物所有に変更されるのに伴い、存続期間を本裁判確定の日から三〇年延長し、土地利用効率の増加に伴い地代を改定するのが相当であり、その額は鑑定委員会の意見に従い3.3平方米当り月額二八〇円とする。 (小山俊彦)
目録
東京都中央区八丁堀二丁目一〇一番六
宅地 145.45平方米
のうち 92.56平方米(二八坪)